2012年 04月 14日
コンニャク屋漂流記と祖籍 |
「コンニャク屋漂流記」(星野博美著)という本を読みました。星野さんは私の留学先の先輩に当たる方。面識はないですが、香港つながりで親近感を持っていました。
同書は星野さんの祖先のルーツを辿る旅。星野さんの祖先は、江戸時代、紀州から房総半島へ渡った漁師だったそうで、屋号が「コンニャク屋」だったとか。
途中、おもしろい逸話がありました。星野さんといえば、やはり「香港」ですが、祖籍の話が載っていたのです。
祖籍とは先祖代々の出身地のこと。香港ではお墓に祖籍を彫る習慣があります。香港の人は「故郷」と「祖籍」を厳密に区別するそうで(そういえば、そうでした)、星野さんが暮らしていた90年代。香港で友人に聞いたところ、自分の祖籍を知らない人はいなかったとのこと。
香港の人の祖籍でよく聞くのは、潮州、番禺、広州、台山、中山、東莞、汕頭、泉州、山東、上海・・・・等々。懐かしい地名が並びます。
彼らは今はたまたま香港に暮らしているが、この先、どこに住むかはわからないと言っていたそうです。
星野さんは本の中でこうも書いています。「安住の地を求め、国境や文化の違いを越えてどんどん移動し続ける人たちだからこそ、祖籍という揺るぎない存在が心のよりどころになっていたのかもしれない」
まさにその通りだと思いました。
翻って日本人は、祖籍という概念はあまり持ち合わせていないのではないか、とのこと。
日本人は故郷(ふるさと)にこだわって生きている人々だと私は常々思ってきましたが、祖先が住んでいた場所について、明確に言える人は案外、少ないかもしれません。おもしろい研究テーマになりそうです。
さて、おまけ。我が家のチューリップがやっと咲きました。
同書は星野さんの祖先のルーツを辿る旅。星野さんの祖先は、江戸時代、紀州から房総半島へ渡った漁師だったそうで、屋号が「コンニャク屋」だったとか。
途中、おもしろい逸話がありました。星野さんといえば、やはり「香港」ですが、祖籍の話が載っていたのです。
祖籍とは先祖代々の出身地のこと。香港ではお墓に祖籍を彫る習慣があります。香港の人は「故郷」と「祖籍」を厳密に区別するそうで(そういえば、そうでした)、星野さんが暮らしていた90年代。香港で友人に聞いたところ、自分の祖籍を知らない人はいなかったとのこと。
香港の人の祖籍でよく聞くのは、潮州、番禺、広州、台山、中山、東莞、汕頭、泉州、山東、上海・・・・等々。懐かしい地名が並びます。
彼らは今はたまたま香港に暮らしているが、この先、どこに住むかはわからないと言っていたそうです。
星野さんは本の中でこうも書いています。「安住の地を求め、国境や文化の違いを越えてどんどん移動し続ける人たちだからこそ、祖籍という揺るぎない存在が心のよりどころになっていたのかもしれない」
まさにその通りだと思いました。
翻って日本人は、祖籍という概念はあまり持ち合わせていないのではないか、とのこと。
日本人は故郷(ふるさと)にこだわって生きている人々だと私は常々思ってきましたが、祖先が住んでいた場所について、明確に言える人は案外、少ないかもしれません。おもしろい研究テーマになりそうです。
さて、おまけ。我が家のチューリップがやっと咲きました。
by keinakaji
| 2012-04-14 16:21
| Books