2011年 12月 11日
作家の口福 |
しばらく前のことですが、朝日新聞の「作家の口福」(10月29日)という記事に目が留まりました。この欄は有名な作家が交代で書くコーナーで、食べ物がテーマのエッセイです。
題材は自由で、特定の食べ物(たとえばイチゴならずっとイチゴの話)だったり、食べ物と何かの思い出を結びつけて語ったりといろいろ。
この日は「ジェノサイド」で有名になった小説家、高野和明さんでした。私は高野さんの本は一冊も読んだことがないし、経歴も知りませんでしたが、このエッセイを読んで、すっごく感動し、心があったかくなったので、ちょっとご紹介します。
タイトルは『苦闘3年 「食べていける」ことの幸せ』
高野さんは高校卒業後、映画監督を目指したそうですが、父親に「食べていけるはずがない」と大反対されます。でも、その頃は「食べていく」とはどういうことか、まったくわからなかったといいます。
その後、紆余曲折あって、27歳でプロの脚本家になったそうですが、仕事はだんだん減り、ようやくありついた仕事の原稿料も踏み倒され、100円のお金にも困るような生活になったとか。その上、追い討ちをかけるように、お父さんも亡くなってしまいました。
その頃、人生のどん底にいる、という実感があったそうです。
そんなとき、救世主となってくれたのが近所にあった定食屋さん。夫婦2人だけで切り盛りしている小さな店で、日替わり定食が430円。食事時は勤め人や肉体労働者でいつも満員だったそうです。
ご夫婦は日曜以外は決して休まず、朝10時から深夜0時まで働きづめでした。
そこで深夜までともる明かりを見て、高野さんは思ったそうです。
「社会のヒーローはテレビの中にはいない。本物のヒーローやヒロインは、自分のできることを一生懸命にやって、人知れず誰かの役に立っているのだ」と。
財布の中に小銭しかなかった当時には戻りたくないそうですが、高野さんにとって、あの苦闘の3年間が、物書きとして一人前になるための最後の修業だった、と振り返っています。
そして、「私は小説家として食べていける。何と幸せなことだろう!」と締めくくっています。
なんとすてきなエッセイでしょう!!
高野さんは正直で謙虚な方だと思います。普通、売れっ子になると、苦しい時代のことはすっかりす~っかり忘れてしまうものですが。いい人なんですねぇ。
物書きとして食べていくことがどんなに大変か――。
私も(高野さんとはレベルがあまりにも違いすぎますが)、よ~くわかります。原稿料を踏み倒されたこともありますし・・・。
私は苦闘3年どころか15年で、いまだ暗闇の中にいますが、それでも、なんとか食べていけます。そのことに感謝して、今日も机に向かいたいと思います。
題材は自由で、特定の食べ物(たとえばイチゴならずっとイチゴの話)だったり、食べ物と何かの思い出を結びつけて語ったりといろいろ。
この日は「ジェノサイド」で有名になった小説家、高野和明さんでした。私は高野さんの本は一冊も読んだことがないし、経歴も知りませんでしたが、このエッセイを読んで、すっごく感動し、心があったかくなったので、ちょっとご紹介します。
タイトルは『苦闘3年 「食べていける」ことの幸せ』
高野さんは高校卒業後、映画監督を目指したそうですが、父親に「食べていけるはずがない」と大反対されます。でも、その頃は「食べていく」とはどういうことか、まったくわからなかったといいます。
その後、紆余曲折あって、27歳でプロの脚本家になったそうですが、仕事はだんだん減り、ようやくありついた仕事の原稿料も踏み倒され、100円のお金にも困るような生活になったとか。その上、追い討ちをかけるように、お父さんも亡くなってしまいました。
その頃、人生のどん底にいる、という実感があったそうです。
そんなとき、救世主となってくれたのが近所にあった定食屋さん。夫婦2人だけで切り盛りしている小さな店で、日替わり定食が430円。食事時は勤め人や肉体労働者でいつも満員だったそうです。
ご夫婦は日曜以外は決して休まず、朝10時から深夜0時まで働きづめでした。
そこで深夜までともる明かりを見て、高野さんは思ったそうです。
「社会のヒーローはテレビの中にはいない。本物のヒーローやヒロインは、自分のできることを一生懸命にやって、人知れず誰かの役に立っているのだ」と。
財布の中に小銭しかなかった当時には戻りたくないそうですが、高野さんにとって、あの苦闘の3年間が、物書きとして一人前になるための最後の修業だった、と振り返っています。
そして、「私は小説家として食べていける。何と幸せなことだろう!」と締めくくっています。
なんとすてきなエッセイでしょう!!
高野さんは正直で謙虚な方だと思います。普通、売れっ子になると、苦しい時代のことはすっかりす~っかり忘れてしまうものですが。いい人なんですねぇ。
物書きとして食べていくことがどんなに大変か――。
私も(高野さんとはレベルがあまりにも違いすぎますが)、よ~くわかります。原稿料を踏み倒されたこともありますし・・・。
私は苦闘3年どころか15年で、いまだ暗闇の中にいますが、それでも、なんとか食べていけます。そのことに感謝して、今日も机に向かいたいと思います。
by keinakaji
| 2011-12-11 11:30
| 身近なこと

