2012年 06月 14日
経済大国インドネシア |
『経済大国インドネシア』(佐藤百合著、中公新書)という本を読みました。
中公新書を真剣に読んだのは、実にひさしぶり(笑)のこと。おもしろかったです。書店でも平積みされていますね。
中国とインドという2大国の台頭はすでに「世界の常識」ですが、この2国に続いて、世界経済で堅調なのがインドネシアなんだそうです!
著者も書いていますが、日本で「成長のアジア」といえば、中国、インドに続いて、皆が挙げるのはタイとベトナムでしょう。しかし、この本を読めば、実はインドネシアこそ、21世紀の経済大国となりうる条件をたくさん兼ね備えていることがわかります。

以下、印象に残ったところをいくつか。この本のメインストリームではないのですが、私の本と通じる部分が心に残りました。
・もし日本がいつまでもインドネシアの負のイメージにとらわれ、あるいは昔日の「古き良きスハルト時代」のインドネシアしか知らず、インドネシアの「今」を見ずにいたら、それはおそらく誰よりも日本自身が近未来における自らの発展可能性を狭めてしまうことになりはしないだろうか。
・日本人にとって、インドネシアはアジアの中でも遠い国ではないだろうか。(中略)ところが、インドネシア人の日常には日本がある。ものごころついた時から生活のなかに日本が溶け込んでいる。
・80年代には「おしん」ブームが起きた。「アジアの成功者」日本にもこんな貧しさがあったのか、と深い共感を呼んだ。
・日本の側もインドネシア社会の文化や価値観を尊重する姿勢、それを理解しようとする心構えが大切になる。(中略)「根本はそこに文化がなかった」と断じた古き日本人の心的態度とは、これからの我々は一線を画さねばならない。
私がもっとも好きな文章はここ。↓
・「インドネシアは変わり始めている」という認識を日本は持つ必要があろう。日本とインドネシアを、先進国と発展途上国、援助する側とされる側、大人と子供、と思っていると、相手が一人前の口をきこうものなら「生意気な」という反応が思わず出てしまう。そうした反応をインドネシア人は敏感に察知する。顔には出さないが、プライドの高い人たちだ。彼らの価値観からすると、「ソンポン(傲慢)」というのは、最低の人物評である。
ああ、この著者はインドネシアを愛しているんだな~と思いました。
まだ、いくつかよいフレーズがありましたが、この辺にします。
中公新書を真剣に読んだのは、実にひさしぶり(笑)のこと。おもしろかったです。書店でも平積みされていますね。
中国とインドという2大国の台頭はすでに「世界の常識」ですが、この2国に続いて、世界経済で堅調なのがインドネシアなんだそうです!
著者も書いていますが、日本で「成長のアジア」といえば、中国、インドに続いて、皆が挙げるのはタイとベトナムでしょう。しかし、この本を読めば、実はインドネシアこそ、21世紀の経済大国となりうる条件をたくさん兼ね備えていることがわかります。

以下、印象に残ったところをいくつか。この本のメインストリームではないのですが、私の本と通じる部分が心に残りました。
・もし日本がいつまでもインドネシアの負のイメージにとらわれ、あるいは昔日の「古き良きスハルト時代」のインドネシアしか知らず、インドネシアの「今」を見ずにいたら、それはおそらく誰よりも日本自身が近未来における自らの発展可能性を狭めてしまうことになりはしないだろうか。
・日本人にとって、インドネシアはアジアの中でも遠い国ではないだろうか。(中略)ところが、インドネシア人の日常には日本がある。ものごころついた時から生活のなかに日本が溶け込んでいる。
・80年代には「おしん」ブームが起きた。「アジアの成功者」日本にもこんな貧しさがあったのか、と深い共感を呼んだ。
・日本の側もインドネシア社会の文化や価値観を尊重する姿勢、それを理解しようとする心構えが大切になる。(中略)「根本はそこに文化がなかった」と断じた古き日本人の心的態度とは、これからの我々は一線を画さねばならない。
私がもっとも好きな文章はここ。↓
・「インドネシアは変わり始めている」という認識を日本は持つ必要があろう。日本とインドネシアを、先進国と発展途上国、援助する側とされる側、大人と子供、と思っていると、相手が一人前の口をきこうものなら「生意気な」という反応が思わず出てしまう。そうした反応をインドネシア人は敏感に察知する。顔には出さないが、プライドの高い人たちだ。彼らの価値観からすると、「ソンポン(傲慢)」というのは、最低の人物評である。
ああ、この著者はインドネシアを愛しているんだな~と思いました。
まだ、いくつかよいフレーズがありましたが、この辺にします。
by keinakaji
| 2012-06-14 13:08
| Books