「オーディション社会 韓国」を読んで |
ちょうど著者の共同通信記者、佐藤大介さんの講演会があると聞いて、その席で買ったものです。
発売時にタイトルを見たときにも「おもしろそう」と思っていましたが、案の定、内容は予想通りで、おもしろかったです。
韓国が厳しい競争社会であることは、ドラマや本を読んで知っていました。以前習っていた韓国語の先生からも、そういう話を聞いたことがありましたが、こうしてさまざまな例を読むと、やはり「韓国人はつらい!」と思ってしまいます。
同時に、日本とどんなに違う国かということも思い知らされるとともに、私は中国との比較という点でも興味深かったです。
とくに第3章の「就職も恋もスペック次第」は、本来、人間には使わない「スペック」という単語を使い、「私のいちばんのスペックはTOEICで満点を取ったことだ」などという点は、せちがらいというか、大変だなと思いました。
7、8年前だったと思いますが、私ははげ薬の新薬の取材で韓国を訪れたことがあります。
大学病院に行き、そこではげに悩んでいる男性患者のインタビューをしたのですが、男性といえども、外見がいかに大事か、外見が悪いと就職もできない、という話を聞いて驚いたことがありました。
恋愛や結婚だけでなく、就職も「外見」重視!?と聞いてびっくりしたものですが、この本を読んで、「なるほど、やはり」と思いました。
日本人に生まれてよかったです(笑)
韓国ドラマを見ていると、「幼い頃に両親が離婚した」、「孤児院で育った」、「妻と子どもだけカナダに英語留学していて、父親ひとりで暮らしている」、
「大企業での熾烈な出世競争」、「裕福な家の娘と貧しい家の息子の格差恋愛」などが次々と出てきて、「えっ?ほんと?」と思うこともしばしばですが、この本を読むと、それらは決して「ドラマの中の話」ではなく、現実であることがわかります。
佐藤さんは講演もおもしろく、いろいろ勉強になりました。
おまけ。
講演に行く前に吉祥寺の「かつくら」でランチを食べました。とんかつといえども上品で、美味でした。