中国深せんテクノセンター創立20周年 |
先日、東京事務所の方から「20年の軌跡とこれから」という記念冊子をいただきました。
テクノセンターとは、日系の中小企業のために、電力、水道、ワーカーの調達、労務管理、通関などのインフラをすべて用意した工場を提供するもの。企業は技術のみ提供すればよいというユニークなシステムで、中国南部、深せんにあります。
設立は1991年。日本で最初に報道されたのは、私の古巣、日刊工業新聞でした。ちょうど、日本の大手企業が華南に進出し始めたころで、それにつられるように、中小企業も進出を検討していた時期でした。
しかし、中小企業には中国で独自に事業をするノウハウも人材もいません。そんなとき、香港在住の日本人ビジネスマンら有志が集まって、テクノセンター構想の基礎ができたのです。
私が初めてテクノセンターを訪れたのは、確か1995年頃のこと。ちょうど香港留学中でした。
テクノセンターの創業者、石井次郎氏や川副哲氏らと知り合いました。
以来、なんと17年もの深く、濃い、お付き合い。
日系企業の華南進出の加速に合わせて、テクノセンターの門をたたく中小企業も増え、ワーカー数は一時は5000人を超えたといいます。
また、テクノセンターを「卒業」し、独立していった企業も60社を数えるそうです。
昨今では日本全国の大学からインターンシップ生を受け入れ、大学生の中国での就業体験もサポートしています。
20周年記念の冊子には、私が書いた新聞記事と、私の著書「職は中国にあり」(夏目書房、2002年刊)のことも掲載していただきました。
著書の中で、日本のメーカーをリタイアして、中国で第2の人生を歩む日本人技術者のことをコラムとして執筆しました。
中国での日系企業の役割は、これから変化していくと思いますが、テクノセンターがこの20年間で果たした役割は非常に大きなものがある、と改めて感じています。