2012年 09月 03日
アジア実力派企業のカリスマ創業者 |
「アジア実力派企業のカリスマ創業者」(中公新書ラクレ、近藤伸二著)という本を読みました。
私の香港留学時代の友人で、毎日新聞論説副委員長の近藤さんが書いた本です。
本書に登場する企業は今、シャープとの提携・出資問題で新聞の経済面をにぎわせているホンハイ精密工業(台湾)、世界第4位のパソコンメーカー、エイサー(台湾)、世界第2位の通信機器メーカー、華為技術(中国)など、そうそうたる企業ばかり。
その企業の沿革や業績だけでなく、創業者の生い立ちや人物像に迫った力作です。
近年、海外に旅行に行くと、至るところに「サムスン」などアジア企業の看板が増え、目につくようになりましたが、その実態が日本でくわしく報道されることは、あまりありません。
ましてや、創業者がどんな人か?なんという名前か? 知っている日本人はどれほどいるでしょうか?
米誌「フォーブス」の世界有力企業ランキングで、アジア企業はすでに20%以上を占めているというのに、日本人のアジア企業への関心は、まだまだ浅いものといわざるを得ません。
なぜでしょうか?
彼らが自社のブランドを持たない「黒子」に徹してきたことなどもあったでしょうが、日本人にとって、アジア企業の製品といえば、いまだに「安かろう、悪かろう」という旧来のイメージが脳裏に焼きついており、見下してきたこともあったと思います。
しかし、実際は違います。日本が最も得意としていた電気・電子、半導体などの分野では、すでにアジア企業に追いつかれ、追い越されているのが現実なのです。
私も本書によって、日本ではほとんど知られていなかったアジア企業の創業者たちの生い立ちや苦労、現在に至るまでの歩みを時系列的に学ぶことができました。
彼らはアジアでの「松下幸之助」であり、それぞれが立志伝中の傑出した人物です。
がむしゃらに働き、それぞれが「台湾ドリーム」「チャイナドリーム」を結実させてきた異色の経営者です。
印象的だったのは、「あとがき」にある一文。私もまったく同感であり、同じ思いを抱いているだけに、膝を打ちました。一部、引用します。
とりあえずできることからやり、名より実を取る。原理原則主義ではなく、実情に合わないと思ったら軌道修正をためらわない。(中略・・・)、時には型破りと思えるほど発想が自由だ。自社の発展のためなら裏方に甘んじることもいとわない現実主義者の側面も持ち合わせている。
近藤さんも書いておられますが、この「融通むげ」、よくいえばフレキシブル、悪くいえば適当なところが、私の性格にも合っているんだと思います。
翻って、わが日本。アジアの創業者のようにガッツあふれる経営者は、今どれくらいいるのでしょう?
本書にも書かれていますが、稲盛和夫さんがいうように「日本の経営者に必要なのは、燃える闘魂」だと思います。
日本の相対的地位がどんどん落ちていく中で、本書の経営者たちの「かつての日本人みたいな」ガッツから学ぶところは大きいと思います。
私の香港留学時代の友人で、毎日新聞論説副委員長の近藤さんが書いた本です。
本書に登場する企業は今、シャープとの提携・出資問題で新聞の経済面をにぎわせているホンハイ精密工業(台湾)、世界第4位のパソコンメーカー、エイサー(台湾)、世界第2位の通信機器メーカー、華為技術(中国)など、そうそうたる企業ばかり。
その企業の沿革や業績だけでなく、創業者の生い立ちや人物像に迫った力作です。
近年、海外に旅行に行くと、至るところに「サムスン」などアジア企業の看板が増え、目につくようになりましたが、その実態が日本でくわしく報道されることは、あまりありません。
ましてや、創業者がどんな人か?なんという名前か? 知っている日本人はどれほどいるでしょうか?
米誌「フォーブス」の世界有力企業ランキングで、アジア企業はすでに20%以上を占めているというのに、日本人のアジア企業への関心は、まだまだ浅いものといわざるを得ません。
なぜでしょうか?
彼らが自社のブランドを持たない「黒子」に徹してきたことなどもあったでしょうが、日本人にとって、アジア企業の製品といえば、いまだに「安かろう、悪かろう」という旧来のイメージが脳裏に焼きついており、見下してきたこともあったと思います。
しかし、実際は違います。日本が最も得意としていた電気・電子、半導体などの分野では、すでにアジア企業に追いつかれ、追い越されているのが現実なのです。
私も本書によって、日本ではほとんど知られていなかったアジア企業の創業者たちの生い立ちや苦労、現在に至るまでの歩みを時系列的に学ぶことができました。
彼らはアジアでの「松下幸之助」であり、それぞれが立志伝中の傑出した人物です。
がむしゃらに働き、それぞれが「台湾ドリーム」「チャイナドリーム」を結実させてきた異色の経営者です。
印象的だったのは、「あとがき」にある一文。私もまったく同感であり、同じ思いを抱いているだけに、膝を打ちました。一部、引用します。
とりあえずできることからやり、名より実を取る。原理原則主義ではなく、実情に合わないと思ったら軌道修正をためらわない。(中略・・・)、時には型破りと思えるほど発想が自由だ。自社の発展のためなら裏方に甘んじることもいとわない現実主義者の側面も持ち合わせている。
近藤さんも書いておられますが、この「融通むげ」、よくいえばフレキシブル、悪くいえば適当なところが、私の性格にも合っているんだと思います。
翻って、わが日本。アジアの創業者のようにガッツあふれる経営者は、今どれくらいいるのでしょう?
本書にも書かれていますが、稲盛和夫さんがいうように「日本の経営者に必要なのは、燃える闘魂」だと思います。
日本の相対的地位がどんどん落ちていく中で、本書の経営者たちの「かつての日本人みたいな」ガッツから学ぶところは大きいと思います。
by keinakaji
| 2012-09-03 13:52
| Books