1995年の調景嶺 |
こちらは先日、友人がフェイスブックにアップしていた、香港の調景嶺(ちょうけいれい)の写真です。
広東語で読むと「ディウギンレン」、中国語で読むと「ティアオジンリン」となります。
1995年、2人で一緒に行ったときの写真。私の後ろ姿が映っているので、こちらにも写真を使わせてもらいました。
今ではもう調景嶺の存在を知っている人も少なくなってしまいましたが、ここは、かつて、中国で国共内戦に敗れた国民党の落人たちが逃れてたどり着いた村のひとつです。香港の九龍サイドの西側に位置している断崖で、陸の孤島のような不便な場所でした。
みてわかる通り、台湾の青天白日旗がはためいています。国民党の人たちが住んでいるということで、台湾政府がお金を出し、ここに小さな学校もありました。住んでいる老人と話をした記憶がありますが、中国語でした。
1997年の香港の中国返還を機に、この村は取り壊されることになり、私たちが訪れた頃、村人たちは近隣の住宅に強制移住させられている時期でした。
私はここを確か3度、訪れているのですが、行くたびに住人が減り、最後には野良犬ばかりとなって、怖かったことを覚えています。
ここに写っているのは、当時の私の後ろ姿です。
今ではもちろん、完全にこの村はなくなり、残るのは地下鉄のきれいな「調景嶺駅」だけとなりました。香港返還からもう15年になりますので、当たり前といえば当たり前ですね。
タイやミャンマーの国境地帯などにも、いくつかの「国民党村」があったとされますが、今はどうなっているのか、わかりません。
これもひとつの「時代」だったと思います。