2014年 01月 25日
映画 『呉さんの包丁』 |
台北駐日経済文化代表処で、ドキュメンタリー映画 『呉さんの包丁』 を見ました。
私は全然知らなかったのですが、昨年から各地で公開になっているようです。 2時間に及ぶドキュメンタリー映画は予想以上に濃い内容で、私の知らないことも多く、とても勉強になりました。
舞台は中国・アモイまでわずか10キロという金門島。
美しいこの島で、1958年8月23日に、共産党軍と国民党軍の激しい戦闘が繰り広げられました(823砲戦)。
台湾は87年まで戒厳令が敷かれていましたが、金門では92年まで続いていたそうです。今も要所に地下坑道がたくさん残っていて、観光もできるそうです。
私は台湾島は隅から隅までかなり奥地の原住民の村まで行きましたが、金門・馬祖・緑島には、残念ながら行ったことがありません。
現在、その当時残された大量の砲弾を使って、呉さんは包丁を手作りしています。1つの砲弾で、およそ60丁の包丁が作れるといい、工房の隣にお店を構えています。
そこには中国大陸からの観光客も大勢やってきます。 観光客が 「こっちが送った砲弾なんだから、安くしてよ」と冗談をいえば、呉さんも 「材料費はただだよ。人件費だけだから」 と笑いながら応戦します。そこにはもう、暗い戦争の影はありません。
映画の中では、台北の圓山大飯店の地下に、いざというときのための市内に通じるトンネルがあったとか、日本軍がけしの栽培を金門島民に強制したことなども描かれており、金門島民の日本人への複雑な感情も描かれています。
現代の日本人にとっても、中国の国共内戦は決して他人事ではなかったのだと思い知らされます。
そして、今は呉さんの作る包丁が平和への祈りとなっていることも、この映画の強いメッセージだと思いました。
日本人が監督を務めているこの映画。 地味ではありますが、ぜひ、多くの人に見てほしいと思います。
(写真2枚は映画パンフレットより)
私は全然知らなかったのですが、昨年から各地で公開になっているようです。 2時間に及ぶドキュメンタリー映画は予想以上に濃い内容で、私の知らないことも多く、とても勉強になりました。
舞台は中国・アモイまでわずか10キロという金門島。
美しいこの島で、1958年8月23日に、共産党軍と国民党軍の激しい戦闘が繰り広げられました(823砲戦)。
台湾は87年まで戒厳令が敷かれていましたが、金門では92年まで続いていたそうです。今も要所に地下坑道がたくさん残っていて、観光もできるそうです。
私は台湾島は隅から隅までかなり奥地の原住民の村まで行きましたが、金門・馬祖・緑島には、残念ながら行ったことがありません。
現在、その当時残された大量の砲弾を使って、呉さんは包丁を手作りしています。1つの砲弾で、およそ60丁の包丁が作れるといい、工房の隣にお店を構えています。
そこには中国大陸からの観光客も大勢やってきます。 観光客が 「こっちが送った砲弾なんだから、安くしてよ」と冗談をいえば、呉さんも 「材料費はただだよ。人件費だけだから」 と笑いながら応戦します。そこにはもう、暗い戦争の影はありません。
映画の中では、台北の圓山大飯店の地下に、いざというときのための市内に通じるトンネルがあったとか、日本軍がけしの栽培を金門島民に強制したことなども描かれており、金門島民の日本人への複雑な感情も描かれています。
現代の日本人にとっても、中国の国共内戦は決して他人事ではなかったのだと思い知らされます。
そして、今は呉さんの作る包丁が平和への祈りとなっていることも、この映画の強いメッセージだと思いました。
日本人が監督を務めているこの映画。 地味ではありますが、ぜひ、多くの人に見てほしいと思います。
(写真2枚は映画パンフレットより)
by keinakaji
| 2014-01-25 11:50
| 台湾