中国映画 「黄金時代」 を見て |
蕭紅(シャオ・ホン) という実在した夭折の女流作家の31年の短い生涯を描いた作品で、あまり期待していなかったのですが、正直、すごくよかったです!
映画祭なので、プログラムとか解説もなく、よくわからない部分もありましたが、とても勉強になりました。
作品は、蕭紅の生涯を、幼い頃からひたすら年を順番に追っていくというドキュメンタリータッチ。登場人物がカメラ目線で解説するという、ユニークな設定となっていて、本当にドキュメンタリーみたいです。
なんと、上映時間は3時間!
黒竜江省で生まれた蕭は父親から虐待されて幼少期を過ごしますが、その後、文学の才能を認められ、作品を書きながら、恋人と暮らし、作家仲間と交流し、日中戦争を体験し、子どもを産み……、最後は、香港で病気で亡くなるという破天荒で壮絶なストーリーです。
上海では魯迅の家族との交流もあり、日本との戦争の場面もあります。 (※下の写真の、さらにいちばん下が魯迅ですが、さすがに中国でも誰でも知っている有名人だけに、俳優さんも魯迅に似た人を起用していました)
黒竜江省から南下し、上海、西安など各地を転々とし、最後は香港で亡くなるというのは、いかにも「落葉生根」の中国人らしいと思いました。 日本人はこんなダイナミックな生き方はなかなかできません。
主演は湯唯(タン・ウェイ)。若いのに、さすが! の貫禄です。 素晴らしい演技でした。
そして、蕭の友人役で登場していた女優さん、どこかで見たことあるな、知っている顔だな・・・・・と思っていたら、なんと、私が以前、 著書 「中国人エリートは日本人をこう見る」 の執筆のため、取材した女優兼タレントの田原(ティエン・ユエン)でした!
北京語言大学の英語学科出身で、ものすごく頭のいい美人女優さんでしたが、私が会ってからあと、次第に力をつけ、こんな映画にも出演していたなんて!! とても感激しました~。
許鞍華(アン・ホイ)監督の他の作品もぜひ見てみたいと思いました。 ちなみに、ホイ監督は日中ハーフの女性監督で、香港ではとても有名な実力派です。