ジャーナリスト中島恵のブログ

日本女性の平均寿命、世界２位に

昨日、厚生労働省が２０１１年の日本人の平均寿命を発表しました。

それによると、男性は７９．４４歳。女性は８５．９０歳。女性は１９８５年以来、守り続けてきた長寿世界一の座を８６．７０歳だった香港に明け渡したということです。

主な要因は東日本大震災による死者の増加で、そのほか、２０代後半の女性の自殺率の増加などもあるとのことでした。

あの高層ビルが林立していて、空気の悪い香港で暮らしている女性が世界一とは実に驚きですが、そこにはきっと、何か要因があるのでしょう。

香港女性長寿の秘密、ぜひ知りたいものです。

そういえば、私の香港のお母さんもとっても元気です。彼女に限っていえば、娘３人がとても親孝行だから、というのもひとつの要因かな、と思います。

ところで、この文章を書いていて、ひとつ、どきっとする話を思い出しました。以前、都内の大学に、韓国人学者の講演を聴きに行ったときのことです。

その方は５０代くらいの男性でしたが、日本人の聴衆をぐるっと見渡して、こうおっしゃいました。

「日本にきて思うことは、日本人は非常に勉強熱心だということです。そして、このような講演会に来るのは、年配の方が非常に多いということ。すごいと思うと同時に、日本がうらやましくなります。

韓国では、講演会にこんなに年配の方が来ることはありません。朝鮮戦争で亡くなった方が大勢いるので・・・・・」

会場は一瞬、しーんと静まり返りました。

確かにその通りだと思いました。それに、その話を韓国人の方から言われることは、つらいことでもあります。

今回、日本の女性の平均寿命が東日本大震災の死者により縮まったことは残念なことですが、あらためて、この時期、平和の尊さ、平穏な暮らしのありがたさをかみ締めたいと思います。

「婦人公論」に書評掲載

昨日、７月２２日発売の『婦人公論』に私の著書「中国人エリートは日本人をこう見る」の本紹介が掲載されました。

「私が書いた本」という一人称の紹介記事です。

わざわざ地元まで取材にきてくださって、近所の公園で写真撮影してくださいました。

ご興味がありましたら、ぜひお読みください。

表紙はロンドン五輪で活躍が期待される沢選手です。がんばれ、ニッポン！

「銀輪の巨人」を読んで

台湾の自転車メーカー、ジャイアントのことなど、自転車の歴史や現状について書いたルポ『銀輪の巨人』（東洋経済新報社）を読みました。

自転車に颯爽と乗る人のカラー写真が満載で、おしゃれな装丁の本。



台湾を一周することを台湾では「環島」というのだそうですが、ジャイアントの旅行会社の企画がきっかけで、台湾では自転車を使って各地を回ることがちょっとしたブームになっているのだとか。

私も台湾を一周したことがありますので、懐かしい出来事をいろいろ思い出しました。

台湾のよさは台北ではなく、地方にあります。（←これは韓国にも言えること。政治や経済が一極集中している首都より、田舎のほうが断然おもしろいという点で、台湾と韓国は共通しています）

とくに東海岸は手つかずの自然がすばらしく、アミ族など原住民も素朴で、地方のお祭りなど伝統行事もたくさん残っており、「ここが本当の台湾だ」という思いを強くします。

本書に登場するジャイアントも台中という地方都市にあり、私も取材で訪れたことがあります。

といったいくつかのことを、本書を読んで思い出しました。

ポジャギに関する授業

昨日は早稲田大学で韓国のポジャギに関する特別授業を行ってきました。１時間半、ぶっ通しでしゃべるのは大変でしたが、案外、時間が足りず、最後は急ぎ足でした。

学部を問わず１～４年生、約６０名が取っている授業「朝鮮半島の歴史と文化」にゲストとして呼ばれたのですが、「ポジャギ」という単語を知っている人は？と聞くと、５人いました。

「ソウルに旅行に行ったときに見て、きれいだったので買った」という女子学生や、ある男子学生は「お母さんが今、カルチャースクールで習っているので」といっていて、意外と身近に感じられているようで、うれしかったです。

ところで、ポジャギといえば、以前、私の書評を書いてくださった翻訳家の鴻巣友季子さんの著書『全身翻訳家』（ちくま文庫）の９４ページにポジャギに関する記述があるそうです。



雑誌「クウネル」に以前書いてくださっていた「巻きたくなってきた」というエッセイをそのまま収録したもののようですが、この本を読んだ方が、また「ポジャギ」（白水社）も読んでくださるといいな、と思っています。

それにしても、この本は昨年出版されたもののようですが、星の数ほどある書籍の中から、たまたま、ちくま文庫を読み、そこの中に私の本の記述があった、と教えてくれる友人が私にいるとは・・・・！　

すごいことではないですか！びっくりです。

ぜひ、すばらしい文章で綴られている鴻巣さんの珠玉のエッセイ集も、読んでみてください。

河口湖から見た富士山

連休に河口湖に行ってきました。実家から遠くはないのですが、本当に久しぶりです。

旅館の温泉に入っていたら、スイー、スイーと奇妙な泳ぎ方をする女の子が・・・！

母親としゃべっているのを見たら、なんと中国人でした。こんなところにも、大勢の中国人が遊びに来ているのですね。

今年は暖かくなるのが遅く、まだ根雪が残っているとのことで、山肌にはくっきりと白い雪が見えました。

７月の名物、ラベンダーの開花も遅かったとのことでした。

東京はこんなに猛暑だというのに！