日本人の「すみません」と、中国人の「ありがとう」 |
ところで先日、Record China というサイトを見ていたら、中国で活躍する俳優の矢野浩二さんのコラムを見つけました。
タイトルは「すいません」でお願いごとを詫びる日本人、「ありがとう」でお願いごとを通す中国人
とっても、とってもすばらしいことが書いてあって、思わず納得!!
上記にアクセスすれば全文読めると思いますが、以下にも、短く抜粋します。
内容は、中国に住んで11年の矢野さんは、たまに帰省すると、日本人の礼儀正しさや良心的なホスピタリティーに感心させられるという。
しかし、中国人から見れば、日本人が口癖のようにいう「すみません」や「ご面倒をおかけして申し訳ありません」は、なじめない部分だろうという。他人行儀だ、遠慮しすぎだ、というのがその理由。
しかし、日本人にとっては、ときに謝意も加わるものであり、ごく自然に発している言葉だ。
一方で、「ありがとう」について。矢野さんはある日、自宅マンションでドアをあけてくれた警備員に、何の気なしに「謝々」といった。すると、警備員がいきなり近寄ってきて、「何階に行くんですか?」と丁寧に聞いてきた。
つまり、外部の人だと思ったらしいのだ。中国では、顔なじみの人、親しい人には、わざわざ「ありがとう」はいわないものだからだ。
矢野さんはもうひとつ、おもしろいエピソードを紹介している。
飛行機内でシートを後ろに倒すとき、日本人ならおそらく「すみません。倒してもいいですか?」という。しかし、中国人なら「シートを倒してもいいですか?ありがとう」という。
日本では、自分が悪くなくても、謝意やお願い事にも、なんにでも万能に使う「すみません」が、中国では「ありがとう」に変化する。
中国人は人に何かを頼むとき、相手がそれを受け入れる受け入れないかに関わらず、まず先に「ありがとう」をいう。私も何百回も聞いたことがあるが、それもまた、口癖のようなものだ。
日本では「お待たせしてすみません」というが、アメリカでは「thank you for waiting」。
先にありがとう、といわれれば、相手は受け入れざるを得ないという暗黙の了解だ。こういうところに、中国人とアメリカ人の思考の共通性がある、と矢野さんは書いている。
以上が抜粋、というか、ほとんど全文に近いが、「なるほどな~~」と感心して、うなってしまいました。おもしろい話題です。
というのも、このコラムを読む数日前に、私の著書と同じ日経プレミアシリーズで大ヒット中の本『「すみません」の国』
◎日本人はなぜ頻繁に「すみません」と口にするのか?
◎実は迷惑なのに「遊びに来てください」というのか?
◎「それはいいですね」と言いつつ、暗に拒否しているのか?
そうした日本人のわかりにくいコミュニケーション術について、心理学者が書いた日本論です。
日経プレミアシリーズの背番号としては、こちらは157、私の本が158ですから、私のひとつ先輩(4月発売)になります。
私の本も中国人が見た日本論ですから、ぜひセットで両方読んでいただけるといいな~と思います。