2012年 03月 09日
大倉集古館で鼻煙壺コレクションを見る |
ようやく時間が取れたので、ホテルオークラ前にある大倉集古館で開催中の特別展「鼻煙壺 沖正一郎コレクション」を見に行ってきました。関連開催で、「中国明・清時代の美術」や、「清明上河図」もやっていると聞いたので。
取材などでホテルオークラには何十回も足を運んでいますが、いつも別館から入っていくので、本館前にこんなに立派な建物があったとは、ぜんぜん知りませんでした。

「鼻煙壺」(びえんこ)とは、タバコを粉末状にして香料などを調合したものを鼻孔から吸引する嗅ぎタバコを入れるつぼのこと。ヨーロッパから中国に伝わり、携帯できるように、蓋にさじがついたつぼが作られるようになったということです。
サイズは手のひらにすっぽり入るものが多く、素材は玉、水晶、ガラス、象牙などあらゆるものがあります。彫刻や絵柄もさまざまなものがあり、その独特の世界観たるや、本当にすばらしい。康熙帝、乾隆帝の時代に精華を極めたそうです。

今回のコレクションは沖正一郎さんという方のもの。特別に300点が展示されました。会場内の資料によると、沖さんが初めて鼻煙壺を見たのは、25年前(1987年)、出張で出向いた上海の錦江飯店のアーケード街だったとのこと。
伊藤忠商事の香港駐在員だった昭和30~32年頃から骨董に興味を持っていたそうですが、鼻煙壺に出会ってからは、この収集に没頭するようになったといいます。
こんなにすばらしい方と比べてはいけませんが(笑)、私も初めて中国に行ったのは1988年。上海の錦江飯店のアーケード街もよく覚えています。当時は貧乏大学生だったので、そんなすばらしい展示品に気づくこともなく、(また、興味もありませんでしたが)、あの頃、まだそういったすばらしい品が、一流とはいえ、ホテルのアーケード街に飾られるようなこともあったんだな・・・・・と思います。
沖さんはその後も私財を投じて収集を続け、2006年には北京故宮博物館にも寄贈したと聞きました。すばらしいですね。
その他の展示でも、目を引くものがありました。ひとつだけご紹介すると、2階に展示してあった大倉喜八郎さんのコレクション、中国の神像の数々です。
会場では撮影禁止、図録もありませんでしたので、画像をお見せすることはできませんが、解説には「中国では、民間の神を神像として形作り、祀っていた。天尊神、真武神などは中国でポピュラーな神」と書いてあり、はっとしました。
「日本では仏像に比べて神像はあまり馴染みがない。とはいえ鍾馗(しょうき)様や、庚申信仰など道教に由来する民間信仰などは禅宗とともに日本に伝わった。中国の神を祀る例は存在する」
確かにその通りだ!!とひざを打ちました。私の田舎には庚申様があり、今も毎月女性たちが集まりますし、鍾馗様も五月人形ののぼりに描いたりして、身近なものです。でもあれを日本独自のものだと思っている人も多いのでは?
でも、日本人が日ごろ思う神様というのは、目に見えない存在のほうが多いと思います。それに、中国では仏像はあっても、神像はあまりないと思っていましたが、実はそうではない、ということを、この展示によって気づかされました。
解説の続きに「航海の守り神や星宿を神格化した神は日本でも沿海部を中心に仏教と混濁して信仰される」とあります。私が知らないだけで、もしかして日本海側にいくと、けっこうあるのかもしれません。
また「天后聖母(媽祖)は中国でも人気の高い女神(娘娘)である」とあります。
確かに、台湾などで海岸に近い場所に行くと、「天后宮」はあちこちで見かけます。台湾・台南の「聖母廟」に行った思い出もあります。香港の地下鉄の駅にも「天后(ティンハウ)」があり、私もよく目にしていました。
でも、そのことと「中国人と神様」の関連が、私の頭の中であまり結びついていなかったんですね!!
中国人にとっても神様は身近な存在だったんだ。それが今の中国になって変わってしまったんだ・・・・そう思い、新たな発見となりました。
今回の展示では、今年1~2月に上野の博物館で展示されていた中国の名画中の名画といわれる「清明上河図」もあったのですが、長くなりますので、そのお話はまた次回にいたしましょう。
取材などでホテルオークラには何十回も足を運んでいますが、いつも別館から入っていくので、本館前にこんなに立派な建物があったとは、ぜんぜん知りませんでした。

「鼻煙壺」(びえんこ)とは、タバコを粉末状にして香料などを調合したものを鼻孔から吸引する嗅ぎタバコを入れるつぼのこと。ヨーロッパから中国に伝わり、携帯できるように、蓋にさじがついたつぼが作られるようになったということです。
サイズは手のひらにすっぽり入るものが多く、素材は玉、水晶、ガラス、象牙などあらゆるものがあります。彫刻や絵柄もさまざまなものがあり、その独特の世界観たるや、本当にすばらしい。康熙帝、乾隆帝の時代に精華を極めたそうです。

今回のコレクションは沖正一郎さんという方のもの。特別に300点が展示されました。会場内の資料によると、沖さんが初めて鼻煙壺を見たのは、25年前(1987年)、出張で出向いた上海の錦江飯店のアーケード街だったとのこと。
伊藤忠商事の香港駐在員だった昭和30~32年頃から骨董に興味を持っていたそうですが、鼻煙壺に出会ってからは、この収集に没頭するようになったといいます。
こんなにすばらしい方と比べてはいけませんが(笑)、私も初めて中国に行ったのは1988年。上海の錦江飯店のアーケード街もよく覚えています。当時は貧乏大学生だったので、そんなすばらしい展示品に気づくこともなく、(また、興味もありませんでしたが)、あの頃、まだそういったすばらしい品が、一流とはいえ、ホテルのアーケード街に飾られるようなこともあったんだな・・・・・と思います。
沖さんはその後も私財を投じて収集を続け、2006年には北京故宮博物館にも寄贈したと聞きました。すばらしいですね。
その他の展示でも、目を引くものがありました。ひとつだけご紹介すると、2階に展示してあった大倉喜八郎さんのコレクション、中国の神像の数々です。
会場では撮影禁止、図録もありませんでしたので、画像をお見せすることはできませんが、解説には「中国では、民間の神を神像として形作り、祀っていた。天尊神、真武神などは中国でポピュラーな神」と書いてあり、はっとしました。
「日本では仏像に比べて神像はあまり馴染みがない。とはいえ鍾馗(しょうき)様や、庚申信仰など道教に由来する民間信仰などは禅宗とともに日本に伝わった。中国の神を祀る例は存在する」
確かにその通りだ!!とひざを打ちました。私の田舎には庚申様があり、今も毎月女性たちが集まりますし、鍾馗様も五月人形ののぼりに描いたりして、身近なものです。でもあれを日本独自のものだと思っている人も多いのでは?
でも、日本人が日ごろ思う神様というのは、目に見えない存在のほうが多いと思います。それに、中国では仏像はあっても、神像はあまりないと思っていましたが、実はそうではない、ということを、この展示によって気づかされました。
解説の続きに「航海の守り神や星宿を神格化した神は日本でも沿海部を中心に仏教と混濁して信仰される」とあります。私が知らないだけで、もしかして日本海側にいくと、けっこうあるのかもしれません。
また「天后聖母(媽祖)は中国でも人気の高い女神(娘娘)である」とあります。
確かに、台湾などで海岸に近い場所に行くと、「天后宮」はあちこちで見かけます。台湾・台南の「聖母廟」に行った思い出もあります。香港の地下鉄の駅にも「天后(ティンハウ)」があり、私もよく目にしていました。
でも、そのことと「中国人と神様」の関連が、私の頭の中であまり結びついていなかったんですね!!
中国人にとっても神様は身近な存在だったんだ。それが今の中国になって変わってしまったんだ・・・・そう思い、新たな発見となりました。
今回の展示では、今年1~2月に上野の博物館で展示されていた中国の名画中の名画といわれる「清明上河図」もあったのですが、長くなりますので、そのお話はまた次回にいたしましょう。
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by keinakaji
| 2012-03-09 10:30
| 中国





